開発環境について

このページでは,Haskell 開発環境の構築方法と,GHC コンパイラの使い方を説明します.

1. Haskell Platform のインストール

Haskell の開発環境を構築するには Haskell Platform をインストールするのがおすすめです. Haskell Platform には,デファクトスタンダードのコンパイラである GHC と,ビルドツールである Cabal,Stack が含まれています.

Windows,Mac OS 向けにはインストーラが配布されています. Linux の場合は,コマンドラインを叩くだけでインストールができます. 詳細は公式サイトの手順をお読みください.

2. GHC の使い方

GHC には,いわゆる普通のコンパイラ以外に,対話環境(REPL)と,スクリプト実行方式のコンパイラ(インタプリタ?)が付属しています.

  • ghci - 対話環境

  • ghc - 普通のコンパイラ

  • runghc - スクリプト実行方式のコンパイラ

これら 3 つの使い方を簡単に見ていきましょう.

2.1. 対話環境(ghci)の使い方

対話環境(GHCi) は ghci で起動します.

% ghci
GHCi, version 7.10.3: http://www.haskell.org/ghc/  :? for help
Prelude>

Prelude> は GHCi のプロンプトです. プロンプトに続いて式を入力すると,式を評価できます.(太字は入力した値.)

Prelude> 2 + 3
5
Prelude> "hello"
"hello"
Prelude> [1, 2, 3]
[1,2,3]
Prelude> let str = "hello"
Prelude> length str
5
Prelude> reverse str
"olleh"

:t コマンドを使うと,式の方を調べることができます.

Prelude> :t True
True :: Bool
Prelude> :t reverse
reverse :: [a] -> [a]

GHCi を終了するには,:q と入力します.

Prelude> :q
Leaving GHCi.

GHCi はもっといろんな便利な使い方ができるのですが,それはまた別の記事にしようと思います(そのうち).

2.2. コンパイラ(ghc)の使い方

次の Haskell プログラムをコンパイルしてみましょう.

main = putStrLn "hello, world"

このソースコードを hello.hs みたいな名前のファイルに保存してください. ソースコードのコンパイルは,次のように行います.

% ghc hello.hs
[1 of 1] Compiling Main            ( hello.hs, hello.o )
Linking hello ...

生成される実行ファイル名は hello (Windows の場合は hello.exe)です. この実行ファイルを走らせてみます.

% ./hello
hello, world

期待通り,"hello, world" と出力されることが確認できました.

2.3. スクリプト実行環境(runghc)の使い方

コマンド runghc はコンパイルと実行を一気にやってくれるツールです.

% runghc hello.hs
hello, world

スクリプト感覚でさくっと動かすことができて便利ですね.